愉快な“病人”たち

扁桃炎で病院を転々…秋川雅史さんが「声」を取り戻すまで

秋川雅史氏(C)日刊ゲンダイ

 そこで、やっと光明を見つけました。

「扁桃は喉以外に鼻の奥や舌の根元にもある。君は全部の扁桃が腫れ上がっていて、特に舌の根元の舌根扁桃が肥大している。それが食道と気管の間にある蓋の開きを邪魔している」

 つまり、声は高音域になるほど、その食道と気管の間にある蓋を大きく開くので、肥大した舌根扁桃が当たって雑音を出すのだろうと指摘されたのです。

 それを聞いた瞬間、「それだ!」と確信しました。ただ、舌根扁桃の周辺には太い血管が通っているので医師が嫌がる手術だとのことでした。

 それでも何とか手術してくれる先生を見つけて舌根扁桃を切ったことで、完全に従来の声に戻りました。

■歌がうまくなる喜びが大きい

 病気をするまで「自分には才能があるんだ」と過信していました。この声と歌のうまさはテノール歌手だった父親譲りだから、あって当たり前だと勘違いしていたのです。病気になって初めていろいろなことに「感謝」するようになりました。自分が持つ最高の魂や精神を注いで歌うことで、聴いてくださる人に感謝を示したいと考え始めたのもその頃からです。

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