体内の水分が増えると血液量が増えるので、それを循環させる心臓の負担は大きくなります。また、増えた水分は肺に染み出してたまります。すると、血液に酸素を取り込みにくくなる肺うっ血となり、全身状態が悪化してしまうのです。
先にも言ったように、水分は腎臓で処理されます。ですから、心臓の働きが弱っていることに加えて腎臓も悪い人は、余計に水分摂取に要注意です。場合によっては、水分の過剰摂取が命に関わる事態につながりかねません。このような方では足のすねの部分でむくみが起きやすくなります。午前中にむくみを自覚したら要注意です。
■自覚症状がなくても心臓疾患が隠れているケースが
胸痛、息切れ、動悸など心臓に自覚症状がなくても、水分摂取に気を付けるべきケースもあります。糖尿病を抱えていたり、高血糖状態を放置している人は自覚がないまま心臓の働きがどんどん弱くなることも珍しくありません。そういう人が突然、心不全を発症して病院に運ばれ、実は何らかの心臓疾患にかかっていたという事例もあります。気付かないうちに心臓が衰えていて水分の過剰摂取が“引き金”になってしまわないようにするためにも、糖尿病や高血糖の人は検査を受けて心臓の状態をきちんと把握しておくことが大切です。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」