特に野菜については、常に多めに取るように意識しているし、ほとんど取れない時は罪悪感にすら駆られてしまう。野菜をいかに効率的に摂取するかは、食事療法の要のひとつだ。栄養バランスもさることながら、先に食物繊維を多めに取っておけば、それが食べたものを包み込んで緩やかな消化を促し、血糖値の急激な上昇を抑えることができるからだ。
だから野菜を取れるかどうかは、1型患者である僕にとっても決して人ごとではない。注意を要するのは外食の際だ。飲食店のメニューはだいたいにおいて野菜が少なめなので、サイドメニューなどで極力補うように工夫している。
もっとも、お酒を飲む時にまでいちいちそんなことを気にしていたら、何も楽しめなくなってしまう。酒杯を前にした途端、僕は心の内なる「その感覚」をいさぎよくオフにするのである。物事にはメリハリが必要だということだ。
患者が語る 糖尿病と一生付き合う法