意外に多い人獣共通感染症 犬猫に噛まれたらどうすべき?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 パスツレラ症はパスツレラ菌の感染により発症する病気で、ひっかき傷や噛み傷が化膿して、呼吸器疾患や骨髄炎、外耳炎などのほか、敗血症、髄膜炎などを発症することがある。

「猫ひっかき傷」として知られるバルトネラ病は、バルトネラ菌を持つノミの吸血によって猫や犬に感染。その猫や犬によるひっかき傷や噛み傷から人に感染する。感染しても猫や犬は無症状だが、人は傷口のほか、リンパ節が腫れて痛みを伴い、数週間から数カ月持続する。まれに脳炎、骨溶解などを発症する。

 しかし、今後とくに注意したいのは「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)だ。「浦安中央動物病院」(千葉・浦安市)の周藤明美副院長が言う。

「SFTSは、ウイルスを有するマダニ(写真はフタトゲチマダニ=国立感染症研究所提供)に噛まれることで感染するウイルス疾患で、人や、野生動物、犬猫も感染します。病気を防ぐにはマダニに噛まれないことが大切で、草むらに入る犬や、外に行く猫が感染したり、病気を伝搬しないよう予防することが重要です」

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