豪州から上陸しブームに スーパー大麦の健康効果と摂取法

2016年に上陸し大ブームに
2016年に上陸し大ブームに(提供写真)

「スーパー大麦入り」と書かれたおにぎりをコンビニなどで手に取ったことがある人もいるだろう。はて、「スーパー大麦」とは? 

 オーストラリアは、大腸がんの患者が多く、大腸がんを減らすことが国家プロジェクトに。その流れで品種改良された結果、生まれた大麦だ。2016年、日本に初上陸すると、テレビなどで紹介され大ブームに。現在も注目度は高い。スーパー大麦に詳しい帝京平成大学健康メディカル学部の松井輝明教授に聞いた。

「一般の大麦に比べて総食物繊維量が2倍。そのうち善玉菌のえさになる水溶性食物繊維は、通常の大麦だと、ほとんど大腸の奥まで届きません。ところが、スーパー大麦に含まれるβ―グルカン・フルクタン・レジスタントスターチという3種類の食物繊維は、それぞれ大腸の入り口・中間・奥で複合的かつ段階的に発酵するので、腸内全体の善玉菌を増やすことができるのです」

 特に腸の奥まで届くレジスタントスターチは通常大麦の4倍。大腸がんは7割が大腸の出口に近い奥で発生する。大腸の奥をケアすることはとても有効だという。

 具体的な健康効果は?

「腸の働きをよくして便秘を改善するほか、大腸のバリアー機能を高めて肥満を予防したり、免疫力を高めたりする働きがあります。また、糖尿病や高脂血症など動脈硬化を引き起こす生活習慣病やうつ病などの予防にも期待が寄せられています」

 特に生活習慣が乱れがちな中高年サラリーマンには、肥満や便秘の予防に効果アリ。実際、スーパー大麦によって、体重や体脂肪が減少したという報告もあるそうだ。

「“第2の脳”と呼ばれる腸内環境を整えることは、さまざまな生活習慣病を予防するだけでなく、ストレスを抑えることも考えられています」

■プチプチとした食感がクセに

 では、摂取法は?

「1日に12グラムが目安。ご飯と一緒に炊いて食べることが多いですが、蒸したスーパー大麦をサラダや食材にかけて食べてもおいしいですよ」

 時間がない朝はスーパー大麦入りのグラノーラとヨーグルトを混ぜて食べるのもオススメ。スーパー大麦を含む、おかゆ、そば、コンビニのおにぎりも発売されている。自分の好みとタイミングで摂取すればいいという。

 おにぎりを食べてみると、甘味があって、プチプチとした食感がクセになる。まずはひと口試してみますか。

関連記事