人生100年時代を支える注目医療

近未来の手術室「スマート治療室」の開発が進んでいる

村垣善浩教授(C)日刊ゲンダイ

 スコットは、手術室をひとつの医療機器ととらえているのが特徴。室内にオープンMRI、ロボット手術台、術者コックピット、手術ナビゲーションシステム、手術顕微鏡などを設置。約20種類の機器が相互に接続され、壁に備え付けられている80インチの4Kモニターには、術中画像や患者の生体情報、手術器具の位置情報などが一元化されて映し出される。

「外科手術は、術者の経験や感覚に頼っている部分が大きかった。それが術中MRI画像や運動誘発電位などの情報がリアルタイムでフィードバックされるので、病変のどの部分をどれくらい切除するか最適に判断できます。がんなどの摘出率が上がり、合併症や後遺症のリスクを減らせるのです」

■蓄積されたデータを解析してAIを活用したサポートも可能

 期待されるのは手術の精度や安全性が高まるだけではない。スコットで集められた情報は、すべてデジタル化されて記録されるので手術後の検証にも利用できる。症例が蓄積すれば、将来的にはビッグデータとして解析し、AI(人工知能)を活用した術者への意思決定のサポートも可能になるという。

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