なぜ痛むかに着目 長引く慢性痛はカテーテルと注射で治す

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 通常、炎症は数週間で鎮まり、新生血管や神経も消える。ところがまれに新生血管と神経が残ることがあり、痛みが続く。

「新生血管と神経を消失させれば、慢性痛は消える。方法は2通りあります。1つは、手首や太ももの付け根から入れたカテーテル(軟らかい細いチューブ)で、チエナムという抗生物質を新生血管に直接投与する『運動器カテーテル治療』。もう1つは、超音波画像を見ながら、注射器でステロイド剤を新生血管に注入する方法です」

 チエナムは新生血管を一時的に詰まらせ、神経もろとも消失させる。ステロイド剤は、新生血管に伴い増えた神経の癒着を剥がし、痛みを解消させる働きに優れている。 

「どちらの方法も、新生血管と神経の消失を目的としていますが、アプローチが異なりますし、チエナム、ステロイド剤それぞれの薬の働きも異なります。効果を高めるために、2つの方法を組み合わせて行うケースが一般的です」

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