牧田ドクター「最強の食事術」Q&A

脂っこいものは意識して食べてないのになぜ太るのか?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 当然、糖質をたくさん含む食べ物を食べれば、血液中のブドウ糖が増えていきます。

 そのままでは血糖値が上がりすぎるので、膵臓からインスリンを分泌して、余ったブドウ糖を処理します。

 では余ったブドウ糖はどのように処理されるのでしょうか?

 まずはインスリンが余ったブドウ糖をグリコーゲンに変えて肝臓や筋肉の細胞内に蓄えます。とはいえ、大量にブドウ糖が余った場合、グリコーゲンとして細胞内に蓄えるのは限度があります。そこで、さらに余ったブドウ糖は、中性脂肪に変身させて脂肪細胞に取り込むのです。これこそが多くの人を悩ます肥満の原因です。

 つまり、あなたの出っ張ったお腹のなかの脂肪は、脂っこい食べ物を過剰に食べた結果ではなく、糖質たっぷりの食べ物を食べたことで血液中のブドウ糖が中性脂肪に姿を変えたものなのです。

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牧田善二

牧田善二

AGE牧田クリニック院長、医学博士、糖尿病専門医。1979年、北海道大学医学部卒業。ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで糖尿病の合併症の原因とされるAGEを研究。96年から北海道大学医学部講師、2000年から久留米大学医学部教授。03年から糖尿病をはじめとした生活習慣病および肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開院、延べ20万人以上の患者を診ている。著書に「医者が教える食事術 最強の教科書」(ダイヤモンド社)ほか、多数。

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