医者も知らない医学の新常識

健康食として知られる納豆 ねばねばのアレルギーに要注意

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 食べ物のアレルギーと言うと、卵や小麦、そばなどが知られています。大豆も、アレルギーの多い食品のひとつです。

 大豆アレルギーの場合、大豆そのものを食べて問題がなく、血液や皮膚の検査でも反応がなければ、普通は大豆を原料とする食品や加工品も、安全であると考えます。

 納豆は大豆を原料とした発酵食品です。理屈から言えば、大豆を食べて問題がなければ、納豆も問題はないと思えます。ところが、大豆は食べても大丈夫なのに、納豆を食べた時だけ起こるアレルギーのあることが、最近になって報告されています。

 通常、重症のアレルギーであるアナフィラキシーは、食物アレルギーの場合には、その原因食品を食べて30分以内に起こります。

 ところが、納豆アレルギーは納豆を食べてから5~13時間という、非常に長い時間をおいて症状が出るのです。たとえば夕食で納豆を食べても、症状が出るのが翌朝ということもあるのですから、本人も納豆でアレルギーになった、という自覚がないことが多いのです。

 なぜ、こうした不思議なことが起こるのでしょうか? これはまだ仮説ですが、納豆のねばねばの成分がアレルギーの原因で、体に入るとその物質が徐々に分解されて、そこで初めて症状を出すのではないか、というように推測されています。

 原因不明のアレルギー症状では、納豆を食べたかどうかを疑った方がいいかも知れません。

石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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