独白 愉快な“病人”たち

悪性リンパ腫と闘う垣原賢人さん「怖くて仕方がなかった」

垣原賢人さん(C)日刊ゲンダイ

 それまでプロレスで厳しい練習を重ねてきたので、副作用の症状には耐えられたと思います。しかし、もうそれ以上の抗がん剤治療は、体が受け付けないと感じました。他の臓器が悲鳴を上げているというか、6クールに及ぶ抗がん剤治療で、細胞の一つ一つが限界を超えた気がしたのです。

 中止したいという意志も強く、気持ちにも拒否反応が出てしまったので、医師に「もうやめたい」と申し出ました。ただ、全幅の信頼を寄せていた医師から説得され、それ以降は分子標的薬を4クール、合計で1年半の治療をしました。

 その後は、肺炎になりかけてヒヤッとすることはありました。でも、今は定期検診のみで比較的順調に推移しています。

 まだ闘病中とはいえ、去年はリングに復帰することもできました。

 お世話になった藤原(喜明)組長とスパーリングマッチを行えるまでに回復したので、これからも元気な姿を見せて、同じ病で苦しむ方々に力を与えることができればいいなと思っています。

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