「白髪」が告げる 老化しそうな臓器となりやすい病気

心臓や生殖器との関係も(C)日刊ゲンダイ

「この病気は色素細胞に対する自己免疫疾患だといわれています。原田病では色素細胞を標的として病気が起きることから、メラニン色素が多い組織、つまり目、耳、髄膜、皮膚、毛髪などで炎症が起きるのです」

 原田病では目に症状が出てくる前に、風邪をひいたときのような頭痛やめまい、微熱、頭皮のピリピリ感、全身倦怠感などといった髄膜炎症状が見られ、やがて両目の充血、かすみ、ゆがみ、視力低下が表れる。耳では感音性難聴、耳鳴り、めまいなどが起きる。発症後、半年から数年後には皮膚の白斑、白髪、脱毛が見られ、まつげや眉毛も白くなったりする。

 色素細胞は心臓にもある。その異変は心房細動由来の不整脈発症などに影響するとの報告もある。また、目の色素細胞の異変は失明につながる加齢黄斑変性症に関係するともいわれている。

 色素細胞を収縮させて皮膚の色を薄くするメラトニンは、ヒトではまだ未解明な点も多いが、生殖腺の発達や性腺機能を抑制する作用も報告されている。色素細胞の異変マウスでは繁殖能力の低下を伴うことも多く、不妊につながっているのでは、との見方もある。これまで色素細胞の喪失の結果として表れる白髪は単なる老化として片づけられてきた。しかし、今後の研究次第では病気の予兆と捉えられるかもしれない。

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