【Q】健康・長寿を考える上で注意すべき食べ物、飲み物は何ですか?
【A】「コーヒー飲料」です。缶、ペットボトルに限りません。これらはカフェやオフィスのコーヒーメーカーのいれたてのコーヒーとは全く違います。基本「砂糖の塊が溶けた液体」であることを忘れてはいけません。
例えば「甘さ控えめ」を売り文句にしているあるコーヒー飲料は、1本に60グラム以上の糖質が含まれているものもあります。角砂糖で16個分です。
ほかにも、自動販売機やスーパーなどで売られている身近な飲料の中には、大量の糖質を含んでいるのは少なくありません。
スポーツマンに人気のゼリー飲料、生姜味の炭酸飲料の中には45グラムの糖質(角砂糖11個分)が含まれているものもあります。香りや味がついた天然水には角砂糖6・6個分の糖質が含まれているものもあるのです。
こういうと「缶やペットボトルの裏側の栄養成分表示には砂糖入りなんて書かれていないじゃないか」と疑問を持つ人もいるかもしれません。それも当然で、栄養成分表示には「炭水化物」と表示されています。栄養学的にいうと炭水化物のうちエネルギー源になるものを糖質といい、人の消化酵素で分解できないものは食物繊維といいます。つまり、「炭水化物=糖質+食物繊維」ですが、食品中の食物繊維はわずかですから、ここでは「糖質≒炭水化物」として計算しています。
健康な人は体内に約4.5リットルの血液があり、その中のブドウ糖濃度(血糖値)は空腹時で90㎎/デシリットルです。つまり、お腹がすいた状態でわずか4グラム前後のブドウ糖しか存在しないのです。にもかかわらずコーヒー飲料などを飲んで、いきなり大量の糖質が体内に入ってきたらどうでしょうか? それが毎日の習慣になっていたらどうなるのでしょうか? それが健康長寿に良いかどうかは、推して知るべしです。
牧田ドクター「最強の食事術」Q&A