喉が詰まるような違和感は「脳梗塞」の予兆かもしれない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 喉が詰まったような違和感を覚えた場合、脳梗塞の予兆の可能性がある。国立病院機構東京医療センター感覚器センター(耳鼻咽喉科学)角田晃一医師に聞いた。

 角田医師が市中病院に勤務していた時、内科から80代の患者が紹介されてきた。「扁桃炎ではないか」との見立てだったが、角田医師が口腔内を見ると、1カ所、咽頭後壁(口の突き当たり)がボコボコ腫れ、脈と同期して拍動していた。扁桃炎ではなく、口の中への頚動脈の変位走行異常(以下:走行異常)だった。

「その理由として考えたのは、高齢で前かがみの姿勢になると、胸、胸郭、頭のてっぺんの距離が近くなり、首が短くなる。静脈は縮むことができますが、動脈は加齢で硬くなっていて縮まず、抵抗のない口の中で不自然に曲がるしかなかった、ということです」

 すると、血液の流れに変化が起こる。血管が曲がっているため、あるところではせき止められ、あるところではドッと流れる。後者の時、その流れの勢いで血栓が一気に脳へ飛び、脳梗塞を起こす可能性がある。

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