子作り治療 最前線

新型出生前診断<1>採血のみで3種の染色体疾患を判別

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 従来の非確定的検査は、超音波や採血のみで検査ができるため母体への負担が少ないが、陽性的中率が10%以下と低い。確定検査は、染色体疾患全般にわたり100%の精度で分かるが、腹部に針を刺すので絨毛検査では100人に1人、羊水検査では300人に1人の確率で流死産のリスクがある。

 一方、新型のNIPTは採血のみの検査で、3種の染色体疾患の陽性的中率が約90%と高い。ただし、あくまで非確定的検査なので、陽性の場合には羊水検査などの確定検査が必要になることは従来と変わらないという。では、なぜ同じ血液検査でも精度が高いのか。

「従来の非確定的検査の血液検査では、お母さんの血液中に含まれる胎盤由来のタンパク質を測定して、総合的に判定します。NIPTの場合は、胎児に由来するわずかなDNA断片を調べて遺伝学的に判定します。臨床研究は、十分な遺伝カウンセリングの提供が可能な限られた施設で、限定的に行われています。マススクリーニングに使われるような安易な検査ではないのです」

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