糖尿病の急激な悪化は新疾患「IgG4関連疾患」の疑いあり

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 95年、東京女子医大が自己免疫性膵炎という概念を提唱。01年、信州大学が免疫タンパク質の一種IgG4が関係していることを発見。そして03年、IgG4が関連する現象は膵臓以外の全身の臓器にも見られることを神澤副院長らが突き止め、IgG4関連疾患という新しい全身性疾患の概念を提唱した。

 IgG4関連疾患では、全身のさまざまな臓器に腫瘤ができる。がんのような悪性ではなく、良性だ。IgG4を作る細胞やリンパ球が異常に増えて炎症が起こる。

「特によく見られるのは、膵臓、涙腺、唾液腺、リンパ節、腎臓など。膵臓で起これば自己免疫性膵炎として黄疸や腹痛、糖尿病の急激な悪化などを招く。涙腺ではまぶたが腫れ、美的に問題が出ます。腎臓では、繰り返しの炎症で腎機能障害のリスクが高まります」

■炎症が起こる場所によっては命にかかわるケースも

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