排尿後は1~2分で液体がバルーンからカフへ戻り、尿道に圧をかけ、尿が漏れないようになる。
「医療機関によって差はありますが、平均して3~5年で25%が人工括約筋が使えなくなります。このうち10%が故障で、取り換えればいいので継続使用ができます。5%が感染で、いったん人工括約筋を取り出し数カ月後に施術を行う。残り10%が尿道の萎縮などで、これも人工括約筋の設置場所を変えることで対処できます」
人工括約筋埋め込み手術をしても、スポーツや大きなくしゃみなどで軽度の尿漏れが起こり、日常生活でパッド1枚程度が必要な場合もある。
「しかし、重症の尿失禁だった人には、おむつを使わなくて済むようになっただけで、生活の質が著しく上がります。人間の1日の排泄量1500㏄のほとんどが漏れてしまう人もいますから……」