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うつ病から復帰はいつが? 芸能人も診察する医師が答える

岡村隆史もうつ病だったと告白
岡村隆史もうつ病だったと告白(C)日刊ゲンダイ

【Q】うつ病で休業して1カ月。仕事へ復帰するポイントを教えてください。同僚に迷惑をかけているため、一日でも早く、と考えています。 (30代・男性)

【A】質問者の方が「同僚に迷惑をかけている」とおっしゃっているのが気になります。会社に復帰するかどうかの大きなポイントは、自分に「働きたい」「頑張ろう」という思いがあるか。「自分だけが怠けている」「会社や同僚に悪い」と考えているようなら、まだ復帰は早いでしょう。もうしばらく様子を見てはいかがでしょうか。

 明るくバリバリと仕事をこなす人でも、心がポキッと折れることがあるので注意が必要です。私は芸能人を診察することもありますが、芸能人の中には普段の顔とテレビ用の顔にギャップがある人も。診察したことはありませんが、ユースケ・サンタマリアさんやナインティナインの岡村隆史さんもうつ病だったことを告白しているようですね。芸能界は過度な競争社会なので、そのストレスはかなり大きいだろうと思われます。

 うつ病予防に最も効果的なのは気分転換。特に体を動かすことは効果があります。世界的なうつ病学会でも、治療法として最も推奨しているのは運動で、次が薬です。ハードな運動の必要はなく、1日1回散歩する程度でいい。とにかく外の風に当たってください。会社で精神的につらくなった時も、ほんの一瞬でいいからその場を離れ、外の空気を吸うだけでも気分は変わると思います。

 うつ病を患った当初は動けない、寝たきり、家にこもりがちなどの症状が出ます。そこから治療で体が動くようになっていくわけですが、治りかけて家族も安心し始めた頃が、一番自殺率が高い。患者さんの周囲の方はそこに気をつけて接してほしいと思います。

 地域によっては、保健所で「こころの相談」を無料で行っています。医療機関に行く前に誰かに相談したい場合は、利用してみるのもいいかもしれません。

(成城墨岡クリニック分院/墨岡孝院長)

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