患者が語る 糖尿病と一生付き合う法

食事のタイミング15分遅れて低血糖を起こし意識がもうろう

平山瑞穂さん(C)日刊ゲンダイ

 今回から、低血糖の恐ろしさについてお話ししよう。

 低血糖とは、血糖値が下がりすぎたことで心身が正常に機能しなくなっている状態を指す。視界のかすみ、動悸、発汗、思考力の低下などだ。糖尿病患者にこれがつきものなのは一見意外だが、患者の多くは血糖値を人為的に下げる何らかの薬剤を投与されている。

 1型ならインスリン注射が絶対に必要だし、2型でも症状によってはインスリンが、あるいは経口血糖降下薬などが処方されているケースが多い。

 たとえば、インスリンを打ったのに、その後何も食べずにいたら、当然低血糖になる。現在主流になっているのは、食事開始の直前に打つ「超速効型」インスリンだが、僕はある時期まで、食事の30分前に打つのが原則の「速効型」を使用していた。

 外食の時は、その「30分」を正確に測るのは難しい。にもかかわらず、僕は、きっちりと30分あけることにこだわっていた。ある日の仕事帰り、外食をするつもりで注射を打った僕は、適正な時間をあけるため、飲食店に入る前に買い物を済ませることを思いついた。

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平山瑞穂

1968年、東京生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年「ラス・マンチャス通信」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。糖尿病体験に基づく小説では「シュガーな俺」(06年)がある。

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