酷暑で舌力や唾液力はヘトヘト…「口元」の夏バテ解消法

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「本来、硬い物を食べるだけで歯は汚れが落ちるのですが、それをしなければ当然プラークが付着しやすくなります」

 麺類のようなあっさりした食事は、水分と一緒に流し込むだけで喉の筋肉を使わないから、のみ込む力も落ちてくる。年寄りが食べるとむせるのは、喉頭付近の筋肉がきちんと働かず、気管にフタができないからだ。とはいえ、「ちょっとくらい噛まない期間があってもそんな変化が起こるはずがない」と思う人もいるだろうが、間違いだ。インプラント手術や歯周病の治療で1週間程度硬い食べ物を控えてもらっただけで、患者の口腔内は前述の変化が表れることがあるという。

「まして今年は梅雨明けから最高気温が30度を超える日が続き、気象庁が『災害的な猛暑』という異常気象。大抵の人は終日水分を口にしており、口腔内の唾液を常に洗い流している状態が続いています。人によっては、水ではなくスポーツ飲料や経口補水液を利用していますが、こうした飲み物には飲みやすくするために糖分がたっぷり入っています。それが、口腔内の一層の汚れや雑菌の繁殖につながっているのです」

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