人生100年時代を支える注目医療

2020年実用化へ最終段階 「線虫」が尿からがんを見つける

魚住隆行所長(C)日刊ゲンダイ

■ステージ0期、Ⅰ期にも反応

 犬の嗅覚を使ったがん検査も一部で行われているが、嗅ぎ分ける能力に個体差があり、大量の検体を安定的に処理するのは現実的ではない。比べて線虫は同一個体に精子と卵子を持ち、1匹で200~300個の卵を産む。3~4日で成虫になり、寿命は20日。4日で300倍に増え、エサは大腸菌なので安価だ。

 線虫によるがん検出の「感度」、がんでない人をがんでないと判定できる「特異度」は共に90%前後。ステージ0期、Ⅰ期でも反応するという。

「いまは手作業でやっていた部分を機械に置き換えるシステムの最終モデルをつくっているところです。実用化は、2020年1月からのサービス開始を目指しています。全国に解析センターを配置して、そこに医療機関から検体を送ってもらう。最初のうちは、共同研究をしている医療機関が窓口になるでしょう」

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