慢性心不全の息切れや呼吸困難 運動能力の低下に原因あり

薬では対処不可能(C)日刊ゲンダイ

 急に起こるものが「急性心不全」。それによって「動けない・動かない」が続き、自律神経異常、デコンディショニング(全身の働きの調節異常)、廃用症候群(体を動かさないでいることによる障害)、骨格筋の質・量の変容などが起こる。これを「慢性心不全(症候群)」という。

 慢性心不全になると、速足で歩いたり坂道や階段を上った時、息切れや呼吸困難が生じる。この原因を心臓の機能障害と考えがちだが、必ずしもそうではない。

「関係しているのは運動能力です。米国では、心臓移植のウエーティングリストに載るには運動能力がどれくらい低下しているかが重要。なぜなら、慢性心不全では心機能の悪い人ではなく、運動能力の低い人が早く亡くなるからです」

 運動能力は2つの要素で決まる。1つは「酸素輸送能」といって、心臓からどれだけ骨格筋に酸素を送れるか? もう1つは、送られてきた酸素をどれくらい利用して体を動かせるか?「酸素利用能」という。

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