慢性心不全の息切れや呼吸困難 運動能力の低下に原因あり

薬では対処不可能(C)日刊ゲンダイ

「慢性心不全で酸素輸送能が落ちてくると、それをどううまく使うか、つまり酸素利用能が運動能力を左右します。酸素利用能の改善が運動能力アップにつながります。体を動かせるようになり、骨格筋の質と量の向上や、デコンディショニングや廃用症候群の改善になるのです」

■薬では対処不可能

 酸素輸送能を良くするには、強心薬や血管拡張薬などがある。しかし、酸素利用能に関しては、薬はない。唯一の方法が、運動だ。

 ところが、薬の処方は日本では熱心に行われているが、適切な運動による酸素利用能の改善にはほとんど力を入れられていないのが現状だ。薬で酸素輸送能は上がっても、運動しないで酸素利用能が低いままでは、慢性心不全であることは変わらず、健康で長生きは困難になる。

「慢性心不全の人は適切な運動が不可欠。ただし、自己流では効果がない。または、心臓に過剰な負担をかけ命取りになる。必ず、その人に応じた運動の種類、強さや量でやるべき」

3 / 4 ページ

関連記事