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屋外から涼しい部屋に入り…くしゃみや鼻水の原因と予防法

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

【Q】 外回りから戻って、涼しいオフィスに入ると、急にくしゃみや鼻水が出ます。体は寒くないのに、なぜ? せきが止まらなくて困る時もあります。(40代・男性)

【A】 暑い屋外から涼しい室内に移った時、あるいはエアコンをつけた時に鼻炎症状が出るのは、「寒暖差アレルギー」かもしれません。花粉症のようにアレルゲンがあるわけではなく、自律神経の障害が原因です。周囲の気温が急激に下がると、体温調整をつかさどる自律神経のバランスが乱れ、くしゃみや鼻水などの鼻炎症状が出てしまうのです。

 データによれば、鼻炎症状が出始めるのは気温が7度下がった時。10度以上気温差があると、自律神経がさらに乱れ、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まります。外気温が34度であれば、室内の温度設定は27~28度にするのがベストです。それ以下の気温で過ごすなら、上着を着るなどして、なるべく冷気に当たらないように工夫しましょう。

 もうひとつの原因は、エアコンから排出されるカビやハウスダストをアレルゲンとする“本物の”アレルギー性鼻炎です。

 エアコン内部は水分がたまりやすく、カビの温床になりがちです。また、フィルターにはダニの死骸を含むハウスダストがびっしり付いている場合があります。「会社では平気なのに、家のエアコンを付けると、くしゃみが出る」など場所によって症状が変わる場合は、アレルギー性鼻炎の可能性が大です。

 エアコン内部のカビを予防するには、冷房をかけた後、15分間「送風」にして乾燥させる。シーズン前にエアコンを掃除することも大切です。

 一方、エアコンを付けるとせきが出るのは、冷気が気管支を刺激して炎症を起こしているのだと考えられます。特に気管支が敏感な喘息の人は、5時間以内に気温が3度下がるとせき込んでしまいます。寒暖差アレルギーと同様、エアコンの設定温度を下げすぎない。マスクを着けるのも効果的です。

(池袋大谷クリニック/大谷義夫先生)

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