独白 愉快な“病人”たち

全盲ドラマー佐藤尋宣さん 網膜色素変性症との38年を語る

佐藤尋宣さん(C)日刊ゲンダイ

 ただ、「見えない人≒助けるべき人」だと思ってほしいわけではありません。ある小学校で、カスタネットを鳴らしてボクを先導してくれた子がいました。それは素晴らしいアイデアです。でも、ボクは「肩につかまらせてくれた方が歩きやすいな」と正直に言います。そういう当事者同士の対話がとても大事だと思っているので、先生には口出ししないようにいつもお願いしています。

 最近、「円錐角膜」という新たな目の病気になりました。角膜が薄くなって変形する病気で、痛みがあるのが悩みの種。まだいい治療法が見つからないので、痛みとの闘いはしばらく続きそうです。

 理不尽なことも、不便なこともたくさんありますけど、「ネタになる」と考えれば面白い。この前も点字ブロックの上に大きな機材を置いて選挙演説していた人がいたんです。がっかりでしたよ。でも「これ、ネタになるやん」って思わず笑っちゃいました。

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