「可塑性」とは、外界からの入力により脳が変化することで、「記憶」や「学習」などが代表的な例となる。脳の可塑的変化は、AMPA受容体がシナプスに移行することで行われる。脳卒中後のリハビリによる機能回復も、この可塑性を利用したものだ。
■マウス、カニクイザルの実験では脳卒中のリハビリ効果が劇的向上
これまで脳卒中後の機能回復は、リハビリを行うしか方法がなく、介入する薬がなかった。今回の実験によって、化合物がリハビリ効果を大きく促進する新薬候補となることが証明されたという。
「この化合物は新しい概念の薬剤だと言えます。それはリハビリに依存的に回復を促進させるからです。実験ではマウス脳損傷モデルを使ったのですが、化合物投与とリハビリを併用すると約50日で損傷前と同じ動きができるまで回復しました。一方、同じ期間で『化合物のみ』『水のみ』『水とリハビリの併用』の群では、回復の程度はどれも損傷前の半分以下という結果です」
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