生活と健康 数字は語る

時代とともに引き下げられた基準 「血圧130は高め」の背景

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 血圧の基準は、時代とともに徐々に引き下げられてきた歴史があります。私が医者になった30年以上前には160㎜Hg以上が一般的な基準でした。その後、ここ20年で140に引き下げられ、2017年になって130まで引き下げられたのです。

 背景には、上の血圧が低ければ低いほど、脳卒中や心筋梗塞が少ないということがあります。例えば50代の人での検討結果を見てみると、160の人は120の人に比べて8倍、140で3倍、130でも1.5倍程度、脳卒中死亡のリスクが高いことが示されています。さらに120でも120未満の人と比べれば1.5倍程度、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高いことが示されています。この基準値の変遷は、よりリスクの高い人たちだけを対象にした時代から、少しでもリスクが高い人までも広く含めるように変化してきた歴史ともいえるでしょう。

 脳卒中を予防するという点では、血圧の基準を下げれば下げるほどより多くの脳卒中が予防できる可能性があるわけです。その点だけを考えれば120は血圧高めです、というのも妥当な意見なのです。

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名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」院長、「CMECジャーナルクラブ」編集長。自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員。臨床研究適正評価教育機構理事。7月末に「検診や治療に疑問を感じている方! 医療の現実、教えますから広めてください!!」(ライフサイエンス出版)を出すなど著書多数。

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