独白 愉快な“病人”たち

戦隊ファンに励まされ 俳優・坂元亮介さん食道がん闘病2年

坂元亮介さん(C)日刊ゲンダイ

 麻酔が切れると痛みが凄いんです。でも、そんな一番きつい時に実は仕事をしていました。入院前から決まっていたテレビの密着取材で、その仕事を受けるかどうか随分悩みましたよ。ただ、正直なところ治療費や生活費のことを考えて、断り切れませんでした。

 管だらけでカッコ悪いし、本当は痛さや苦しさでどうにもならなかったんですけど、かつての役、スーパー戦隊「超電子バイオマン」のレッドの使命として、決して弱々しい姿は見せたくなかった。だからずっと気が抜けませんでしたね。

 いまだに全国にバイオマンファンがいるんです。日本だけじゃなく、フランスやフィリピンなどでも放映され、世界のヒーローでもあるので、海外からも応援メッセージがたくさん届きました。

「レッドはがんに負けないでくれ」「レッドなら勝てると信じています!」とね。本当に力になりました。それがなければ、ひょっとしたら病から立ち直れなかったかもしれません。

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