2018年 がん最前線

白血病なら160万円 入院期間と使用薬でがん治療費は変わる

写真はイメージ(C)PIXTA

 こうなると人間の力が及ばない領域になってしまうが、がんはどこにできるかで、かかる治療費も違ってくる。

 別表は厚生労働省の医療給付実態調査(2016年度版)をもとに本紙が算出した平均費用と自己負担の金額だ。

■食事・生活療養費は20万円強

 それによるとケタ違いに高いのが白血病である。100万円を軽く超え、自己負担額も50万円に迫る多さだ。

「白血病は、どうしても入院期間が長くなります。平均で2カ月ぐらい。それだけに費用も掛かってしまうのです。ほかでは、結腸のがんも入院は3週間ぐらいに及びます。2週間ぐらいで済む胃がんより費用が高いのは、その違いでしょう。手術代で極端に差が出ることはありませんからね」(永田宏教授)

 肺がんが少し高いのは、新薬の影響が考えられるという。15年12月、新しいタイプのがん治療薬が肺がんの標準治療に使えるようになった。免疫の働きにブレーキがかからないようにする「免疫チェックポイント阻害薬」のオプジーボがそれだ。

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