がんとは何か

がんが進行すると人はなぜやせるのか? 原因は2つある

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 脳神経にも異常が出るので、食欲不振、味覚異常、吐き気などの症状が表れる。悪液質のがん患者は食事からますます遠のくことになる。

「よく、“がんになると、がんに栄養が取られるからやせる”などといわれますが、実際は食べても身につかない状態も多いように思います」(一石教授)

 悪液質が怖いのは体重が減るだけではない。エネルギーが不足するため強い倦怠感が出るほか、免疫力も低下する。さらには抗がん剤の治療効果をも奪っていく。

「炎症性サイトカインが、抗がん剤を解毒する酵素の働きを弱め、薬物代謝が低下します。すると、抗がん剤が体内に長期間とどまることになり、抗がん剤の副作用が強く出る場合もあるのです」(一石教授)
<直近半年で5%以上の体重減少><BMIが20未満で2%以上の体重減少><サルコぺニア症状を伴う2%以上の体重減少>のいずれかに該当することを悪液質という。

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