がんの痛みも緩和 欧米が認める「書くだけ健康法」の効果

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 帰国後、最上氏自身も、大動脈解離を起こした50代の男性に3日間日記を書いてもらったところ、どんな薬を調整しても170㎜Hgより下がらなかった血圧が、わずか3週間後には100㎜Hg台前半まで下がったという。

 むろん、このやり方は現代医療にとって代わるものでなければ、万人に効くものでもない。既に病気と診断されていたり、自覚症状がある人はまずは医科学的な治療を受けるべきだが、未病の人や薬などの現代療法で効き目のない人が上積みの効果を期待することができるのだという。

■1日20分、三日坊主でもOK

 ではなぜ、書くことが健康につながるのか? 

「心と体はつながっていて、精神的ストレスが身体面にさまざまな悪影響を及ぼします。例えば肉親の死別や離婚などの悲しみは不眠や疲労感、虚脱感となって表れ、それがホルモンバランスの崩れや内臓疾患につながることは多くの人が経験します。書くことは、普段抑えられている自分の心の奥底にある感情に触れることになり、その感情が解放されることで、精神的ストレスが和らぐのです。その結果、自律神経や内分泌、免疫のバランスが整って、病気や体調不良が改善されるというわけです」

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