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歯ぐきに隠れた歯石を除去する3つの手術法で歯周病を再生

山本松男科長(C)日刊ゲンダイ

「バイオ・リジェネレーション法は、『エムドゲインゲル』という豚の歯胚(幼弱な歯)由来のタンパク質を患部に塗ってから歯肉を縫合します。『リグロス』の方はFGF―2という成長因子を利用した薬剤で、血管の新生を促進させて減少した歯周組織の再生を助けます。こちらも患部に塗って歯肉を縫合します」

 エムドゲインゲルは世界約250万症例で安全性が確認されている。リグロスも安全性が高いが、口腔がんやその既往がある人には使用できないという。

 これらの再生治療は、特定の歯の歯周組織が極端にくぼんでいる「垂直性骨欠損」が対象となり、再生には半年以上かかる。同院の骨再生率の比較データ(9カ月間)では、フラップ手術のみが0・55ミリ、エムドゲインゲルが1・18ミリ、リグロスが2・93ミリと最も高い。

「再生治療によって歯周組織が完全に元に戻るわけではありません。しかし、早く治療するほど効果は高いので、フラップ手術が必要になったら治療法の選択肢のひとつと考えていい。まずは主治医に相談してください」

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