愉快な“病人”たち

INSPi奥村伸二さん 有棘細胞がんで鼻の半分を失い再建まで

「鼻が半分ない状態は凄くよかった」と奥村さん(C)日刊ゲンダイ

■手術翌日に奇声をあげて“発狂”

 再建は、額の肉を逆三角形に切り、頂点を中心にくるっと回して鼻にするとのことでした。でも、そのままだと額に穴が開いてしまうので、まずは鼻用の肉を作るため、額にエキスパンダーを入れる手術から始まりました。シリコーンの水風船のようなものに1週間に1㏄くらいずつ水を入れて、徐々にのばしていくのです。

 一度は風船の圧が強過ぎ、皮膚が壊死しかけて急きょ水を抜くというアクシデントもありましたが、本当につらかったのは、その後の再建手術でした。

 十分にのばした額の肉を逆三角形に切って鼻にするのですが、その肉が鼻として定着するまで血流をキープするために、額の太い血管を剥がしてつなげたわけです。見た目にもひどい状態でしたが、一番ダメージを受けたのは精神でした。もちろん、全身麻酔で手術中の記憶はありません。でも体が恐怖を覚えてしまったのか、手術翌日から震えが止まらなくなったんです。尋常ではなかったので手足を拘束されてしまい、それがさらに恐怖を増幅させて、最終的には奇声を上げて“発狂”していました。

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