人生100年時代の保険術

長生きすればリスクが増える 「終身医療保険」は無意味だ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 民間の医療保険・がん保険は、健康保険など公的医療保険を補完する役割しか持っていません。つまり、健康保険等で認められた入院・手術・通院治療等しか保障対象にならないのです。43年後、公的医療保険はどんな形で存在しているのでしょうか。いまでも入院日数が減ったり、入院そのものが難しくなったり、外科医が足りなくて、手術も受けにくくなったりしているのです。

 しかも医療技術の進歩に対応してくれません。あくまでも契約時点で存在する治療等が保障対象です。仮に将来、再生医療やゲノム医療が健康保険に取り入れられるようになったとしても、それに対応する文言が約款(契約書)に書かれていない限り、保険会社に保障責任はありません。

 変化の激しい時代には、終身型はかえってリスクを背負い込むことになりかねません。それに保険料が高い。もっともお勧めなのが、都道府県や各業界の医療共済です。掛け捨てですが、保障内容はそこそこ充実しています。しかも保険料が安く、余剰金が出れば還付までしてくれます。1年単位の定期なので、保障内容の見直しも簡単。実は多くの保険のプロたちも、客には内緒でこっそり入っているほどです。

2 / 2 ページ

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

関連記事