すると、G医師からこう言われました。
「抗がん剤治療は効くかどうかやってみないと分からないのですよ。抗がん剤治療を始めてもう2年経って元気な方もおられるし、放射線と抗がん剤の後に手術して治った方もおられます。Mさんはこんなに元気なのに、まったく治療しないのはもったいない」
その後、MさんはGクリニックで抗がん剤治療を開始しました。すっかり元気が戻り、「何も治療しないで死を待つのはつらい。治療してどうなるか分からないが、たとえ明日死ぬにしても、今日、リンゴの木を植えるのだ」と娘さんに話し、また畑仕事を始めたそうです。
膵臓は腹部の奥にあることからがんが見つかるのが遅くなり、その後の命が短くなってしまう患者さんが多いといえます。最近では、沖縄県のために命を懸けて頑張ってこられた翁長雄志沖縄県知事が膵臓がんで亡くなりました。しかし、G医師が言われるように、膵臓がんの患者さんのすべてが短命というわけではなく、進行していても治癒された方もいらっしゃいます。
がんと向き合い生きていく