サラリーマン the バイブル

しっかり寝ているのに…仕事中にあくびは病気の前兆なのか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ
そこが知りたい家庭の医学<1>

 あくびには眠気が生じて起こるものと、眠気がないのに出る生あくびがあります。どちらもあくびそのものに変わりありません。あくびは呼吸運動の一種。血液の循環が悪くなり、動脈血中の二酸化炭素濃度が高くなると脳への酸素供給のために行われます。体の疲労が原因の場合は眠気が起こりますが、生あくびは体の疲労に関係なく出るのが特徴。何回も起こる場合は、何か体に原因があると考えた方がいいでしょう。

 血液を送り出す重要な臓器である心臓の力が弱くなると、さまざまな症状が出てきます。そのひとつが生あくびで、心不全のサインでもあります。心臓から十分に血液を送り出すことができなくなると血液の循環が悪くなってしまう。そこで脳に酸素を供給するために生あくびが出るのです。

 脳の血液の循環が悪くなると、血行障害によって生あくびが出る。

 その原因は、局所的に血流が低下して、心臓や頚動脈からの小さな血栓や、動脈硬化のある血管にできた血栓がはがれ、脳内の細い血管に詰まって一時的に閉塞を起こすため。このような一過性脳虚血発作は脳梗塞と同じ起因ですから、生あくびは脳梗塞の前兆とされます。

1 / 2 ページ

関連記事