独白 愉快な“病人”たち

「ミラーマン」石田信之さん 8度の手術で辿り着いた境地

石田信之さん(C)日刊ゲンダイ

 そこでも初めは「大したことはない。腸の風邪みたいなもの」と言われました。ただ、どうにも納得がいかなかったので「内視鏡で検査してほしい」とこちらからお願いしたんです。するとカメラが入っていかない事態となり、診察室がざわつきました。思わず「やばいですか?」と聞くと「やばいです」と返され、「相当やばいですか?」という問いにも「相当やばいです」と続きました。

 腫瘍が邪魔をしてカメラが入っていかなかったのです。「大腸がんのステージ4」と告げられました。付き添ってくれた娘の後日談では、そのときすでに「余命6カ月」と宣告されたようです。

 それでも、ボクは「ステージ4なら4でいいじゃないか。治せばいいんだろ。ダメならそれが運命だ」と焦りも気負いもありませんでした。あとはもう“まな板の上のコイ”。

 抗がん剤で腫瘍を小さくしてから14年3月に大腸がんを切除、5月に胃がん(内視鏡手術)、8月に肝臓がんの手術をしました。さらに、術後の検診でまだ肝臓に影が見えると言われ、11月にもう一度同じところを切ったら、癒着が見つかって大変でした。

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