リスクを下げる働きも「お酒」と「脳卒中」の不思議な関係

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「時折お酒を飲む人に比べて、エタノール換算で週に450グラム以上のお酒を飲む人はすべての脳卒中の発症率が68%増加していることが報告されました。特にくも膜下出血の発症率が著しく増加したのです。その一方で、週に149グラム以下のお酒を楽しむ人は、ほぼお酒を飲まない人に比べて虚血性脳卒中の発症率が39%も低く、ラクナ梗塞でより顕著だったのです」

 その理由として適度な飲酒は、アルコールの作用で善玉コレステロールであるHDLコレステロールの血中濃度が上がること、血栓形成を促すタンパク質であるフィブリノゲンの値を低くして血液が固まりにくくなることなどが挙げられている。また、適度な飲酒は、血圧を一時的に下げる働きがある。

■休肝日を設けることは大切

 ただし、これらはあくまでもお酒と脳卒中だけの話。お酒はがんや心臓などの病気とも関係している。このため厚労省は「健康日本21」の中で「通常のアルコール代謝を有する日本人において、節度ある適度な飲酒とは、1日平均純アルコールで20グラム程度」としており、1日の適正アルコール量の目安として男性25グラム以下、女性20グラム以下と定めている。

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