がんと向き合い生きていく

がん治療が終わってから子供をつくる患者はたくさんいる

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 若い世代の代表的ながんは、白血病、悪性リンパ腫、脳腫瘍、甲状腺がん、卵巣がん、子宮頚がん、乳がん、精巣がん、骨軟部肉腫などが挙げられます。これらのがんを克服して、完治される方が多くなった現代において、がん治療が終わってから子供をつくられる方はたくさんおられます。しかし、もし「子供が欲しいのにつくれない」となれば本人たちにとって大きな問題です。

 がん患者が手術で卵巣や子宮を失う場合、あるいは放射線治療や抗がん剤で、卵巣・子宮、精巣にダメージを受けて子供をつくりにくくなる、つまり「妊孕性」(妊娠する力)が失われる、あるいは低下する場合があります。このことについて、医療はどう対応しているかをお話しします。

 病院事務職員のRさん(43歳・男性)は、結婚して半年後、頚部のリンパ節が腫大し、生検で悪性リンパ腫(びまん性大細胞B細胞型)と診断されました。CT検査では腹腔内リンパ節も腫大していることがわかり、ステージⅢでした。

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佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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