ただ、無精子症になってしまう方もおられます。
そのため、男性の妊孕性低下の対策のひとつとして、抗がん剤治療前の精子凍結が有効で、確立できている方法です。思春期前の男性がん患者の精巣組織凍結という方法は、現在、研究段階のようです。
■女性の卵子凍結保存は男性ほど簡単ではない
女性の場合では、大半の抗がん剤は卵巣に直接作用し、卵子の発育を変性、破壊し、卵巣機能障害を起こします。もともと卵子は絶対数が少ないので、卵子が発生しなくなると月経が停止してしまいます。これは抗がん剤の種類、量、治療期間、そして年齢も関係するようです。
治療前に卵子を凍結保存する方法が考えられますが、男性ほど簡単ではないことがあります。ホルモン剤投与などにより、時期を合わせて採取して成熟卵子を保存する手順になるのですが、がんの治療開始まで、時間があるかどうか(待てるかどうか)が問題となります。
がんと向き合い生きていく