人は遺伝子の奴隷なのか

同じ環境で育った双子でも大半は同じ病気にならない

遺伝子は逃れようのない運命ではない?(きんさん、ぎんさん)(C)共同通信社

 にもかかわらず、なぜ細胞分裂時にジャンクDNAまで複製されるのか? それが謎だった。

 しかし、最近の研究でこのジャンクDNAは基本の遺伝子だけでは動かない部分を微調整することで人間をより高度化させていることがわかっている。DNAの複製や染色体の分配などのほか、ヒトの遺伝子数は2万2000個しかないのに、人を構成するタンパク質の種類が10万種類以上あるのはジャンクDNAのおかげだといわれている。

 遺伝子は逃れようのない「運命」ではなく、本当に変えられるものなのか? それが本当でも生まれながらの「傾向」はどの程度影響するのか。次回からは一つ一つの遺伝子について考えてみよう。

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