心房細動があるうえ、心臓弁膜症や狭心症などほかの心臓病がある、糖尿病がある、腎機能が悪いといった人は心不全を起こしやすいので、原疾患をしっかりコントロールすることが心不全の予防になります。
心房細動から房室ブロックになるケースもあります。心房から心室への興奮伝導が途絶する状態で、脈拍が遅くなって突然死する場合もあります。自覚症状がそれほどでなくても、心房細動を放置しないようにしましょう。心房細動は早期に発見すれば「カテーテルアブレーション」という治療ができます。太ももや肘からカテーテルを挿入し、不整脈の原因となっている部分に高周波の電気を流して焼き切る治療で、完治も望めます。
■親が心房細動の場合は発症リスクが上がる
最近の研究で、心房細動の発症には遺伝的要因が大きく関わっていることもわかっています。両親が心房細動の人はそうでない場合の3.23倍、片親が心房細動の人はそうでない場合の1.85倍も心房細動にかかりやすいと報告されているのです。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」