そもそも心臓疾患の多くは遺伝が大きく関係しています。心臓疾患のリスク因子である高血圧や高コレステロールといった体質が子供にも引き継がれるうえ、同じような生活習慣である場合が多いため、心臓疾患にかかりやすくなるのです。若い頃は問題なくても、数十年たってからそうした体質が表面化して心臓疾患を招くケースもあります。
心房細動も同様で、心房細動だけが遺伝している場合もありますし、甲状腺疾患のように心房細動を起こしやすくなる原疾患が遺伝して、心房細動にかかりやすくなる場合もあります。
いずれにせよ、親が心房細動であれば自分も発症リスクが高いと知っておくことが大切です。そうした自覚があれば、心房細動を起こさないために生活習慣を改善したり、原疾患をしっかり管理する意識が生まれるのです。
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天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」