人は遺伝子の奴隷なのか

肥満遺伝子が多い日本人が欧米人より体が細い理由は

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「PPARγ」遺伝子には安静時に新陳代謝が進まないという作用がある。欧米人では60%だが、日本人は92%が持っているという。糖分や炭水化物を細胞に取り込む働きがある「カルパイン10」遺伝子は日本人の95%が持っている。日本人は他に脂肪分解に関係し、一度太るとやせにくい体質のもとになる「β2AR」遺伝子を16%が、脂肪の代謝が悪くて太ももやヒップなどの下半身が太りやすい体質のもとになる「UCP―1」遺伝子を25%が持ち合わせている。

 最近の研究では、人にはアディポネクチン受容体が活性化することで糖や脂質の代謝が促進され、糖尿病や肥満になりにくくなる仕組みが備わっているが、日本人の半数はこの受容体が壊れているという。

 ところが、日本人は欧米人に比べて肥満になりやすい遺伝子をたくさん持っているにもかかわらず、日本人のBMI(体格指数)は欧米人に比べると低い。なぜか。

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