がんも治療可能な時代 病院が風邪治療に消極的なのはなぜ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■接触感染などで侵入

 風邪ウイルスは接触感染や飛沫感染などにより、ヒトに侵入する。接触感染の典型はヒトが、風邪ウイルスが付着した手で鼻をほじったり目をこすったりすることで始まる。目に入ったウイルスは涙腺を伝って目から鼻に移動。鼻道のネバネバした粘膜をすり抜けて喉の奥の咽頭扁桃にたどり着く。そこで自分よりも何千倍も大きなヒトの細胞の表面にある特殊な受容体と結合。ウイルスはヒトの細胞の内部への侵入を果たす。その後ウイルスは、その細胞が分裂するときに使うコピー機能を乗っ取って自分の複製をつくっていく。新たに生まれたウイルス粒子はやがて大量放出され、次の宿主となる細胞に感染していく。

■1週間で自然に治る

 苦労して人体の細胞内で増殖したウイルスだが、やがて人間の免疫組織が動きだすと急速にその数が減っていく。

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