「人間の寿命は決められているかもしれないが、寿命なんて知らずに生きていけるほうがいい。たとえ交通事故に遭って明日死ぬにしても、自分の寿命をカウントダウンしなければならない人生はあまりにも過酷だ」
■患者は不確かながら死が近いことを自覚している
主治医の言葉は、患者さんにとって決定的です。「あと2週間」と告げられた後、患者さんからすれば、まさに命のカウントダウンが始まるのです。そうなった時、その患者さんは一日一日をどう送るのでしょうか。夜、ひとりになった時にどんな思いで過ごすのでしょう?
それにしても、ホスピスの主治医はどうして「2週間の命」だと患者本人に告げたいのでしょうか。安らかな死を迎えるには、しっかり残された期間を言うことが必要だと考えているのかもしれません。本当に2週間かどうかは誰にも分からないのにです。
がんと向き合い生きていく