「食べるときに噛まない」という行為は、こうした一連の行為、つまり筋トレや食べ物が来るためのウオーミングアップを無視することに等しいものです。
しかも、食べ物を噛むからこそ、脳の満腹中枢が「これ以上は食べられません」というシグナルを出すことができるのです。噛まないということは、このシグナルを出すタイミングが遅れることを意味します。そうなると、知らず知らずのうちに食べ過ぎて肥満になりかねません。
グルメ番組のリポーターが「軟らかい」「口の中で溶けるみたい」などのコメントを連発するため、こうしたコメントを食べ物の褒め言葉だと思っている人もいるかもしれません。しかし、大きな誤りです。噛まずにのみ込める食べ物は、決して健康的な食べ物ではありません。「軟らかい」「口の中で溶ける」という言葉は、悪魔のささやきぐらいに思った方が無難かもしれません。
牧田ドクター「最強の食事術」Q&A