役に立つオモシロ医学論文

良い朝食でストレス軽減 食べるか否かより実は内容が大事

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 朝食を食べる生活習慣は健康的な印象がありますが、ただ食べれば良いというものではないかもしれません。栄養的な観点や味などにおいても、朝食の質が低ければ、健康上のメリットや、朝食を食べることに対する意欲も低下してしまうことでしょう。

 環境科学と公衆衛生の国際誌の電子版に、朝食の摂取状況と、健康に関連した生活の質への影響を検討した論文が2018年8月19日付で掲載されました。

 この研究では、スペインに在住し、ストレスやうつ症状を自覚している12~17歳の527人に対して朝食の摂取状況に関するアンケート調査を行っています。朝食の質は「非常に質が悪い」「質が悪い」「質が良い」の3段階で評価され、ストレス状況や抑うつ症状、身体的健康、気分や感情など、健康に関連した生活の質に対する影響が検討されました。

 解析の結果、「朝食を食べる人」と「食べない人」で、身体的健康、気分や感情、うつ症状などに明確な差は見られず、むしろ朝食を食べない人の方がストレス状況は良好であるという結果が示されました。他方で朝食の質については、「非常に質が悪い」朝食と比較して、「質の良い」朝食で身体的健康、気分や感情、知覚されるストレス、うつ症状が統計学的にも有意に良好であることが示されています。

 健康に関連した生活の質を高めるには、朝食をしっかり食べるかどうかというよりは、その食事内容に注目した方がよい可能性が示されています。朝の忙しい時間に質の良い朝食を作ることは難しいかもしれませんが、栄養バランスを考慮した朝食で一日を楽しく過ごせるかもしれません。

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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