「オプジーボ」の効果があるのは2割 “夢の薬”の現実と課題

オプジーボは今後どうなるか(京大・本庶佑特別教授)/(C)共同通信社

■予期せぬ副作用も報告されている

 どんな場合に効くのかがはっきりしていないとなれば、どんな人に副作用が出るのかもわからないということになる。

「それほど多いわけではありませんが、これまで、間質性肺炎、1型糖尿病、重症筋無力症、甲状腺機能低下症、下垂体機能低下症といった予期せぬ重篤な副作用が報告されています。免疫システムに働きかける薬なので、そうした自己免疫疾患が副作用として表れると考えられていますが、どんなタイプの患者に副作用が起こりやすいのかについてもはっきりしていないのです」

 近年の抗がん剤治療は、まず遺伝子検査などを行って、効果がある薬を選択して投与するのが一般的だ。

 免疫チェックポイント阻害薬も事前に遺伝子検査が行われているが、実際は使ってみなければ効くかどうかはわからないし、思わぬ副作用が出るかもしれない。過剰に期待するのは禁物だ。

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