それによると、7000メートル級の山を頻繁に登る登山家25人は一般人2000人に比べて、2倍の確率でACEの変異遺伝子であるACEⅡが見つかったという。その後、別の研究グループが筋肉タンパク質「αアクチニン3」をコードする「ACTN3遺伝子」を新たに発見、メディアは「ランニング遺伝子」とはやし立てた。
この遺伝子は変異すると筋肉の性質が変わることがわかっている。本来は瞬発力に関わる速筋線維の新陳代謝を促すのですが、その変異型である「R577X遺伝子」は「αアクチニン3」の生成を阻害することで持久力に関わる遅筋線維を元気にする。
実際、北京五輪で大活躍したジャマイカ短距離チームのメンバーの75%がACTN3遺伝子を持っていたといわれ、マラソンランナーは短距離選手の2倍の割合で「R577X遺伝子」を持つと報告されている。
人は遺伝子の奴隷なのか