人は遺伝子の奴隷なのか

長生きとの関係は? 家系=遺伝子で本当に寿命は決まるのか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 この遺伝子は2000年に米国の研究者が酵母の中から発見したもので、誰もが持っている。活性化すると細胞内でエネルギーをつくる小器官「ミトコンドリア」が増え、古くなったタンパク質やミトコンドリアが除去されて、新しく生まれ変わる「オートファジー」という機構が働くことがわかっている。

「空腹状態や赤ワインの成分であるレスベラトロールを取ることで活性化するといわれてきましたが、最近の研究ではまだまだ検討の余地があると考えられています。確かにマウス実験ではその効果は認められたものの、人間に対しては遺伝子レベルでの証明が難しいのです。むしろ、遺伝子のスイッチのオン・オフに関係するといわれるジャンク遺伝子などの働きの方が長寿には深い関わりがあるのかもしれません」

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